やまがた若者応援大使 #白石祥和さん(米沢市 NPO法人With優 代表)

今回は25歳でフリースクール「With優」を立ち上げ、その後も「置賜若者サポートステーション」「会員制居酒屋 結」「広場カフェ はるにれ」など、様々な活動を行っているやまがた若者応援大使の白石さんにお話を伺ってきました!


米沢市出身。NPO 法人 With 優 代表。大学卒業後の就労経験などから2007年フリースクールを設立。フリースクールのほか、若者の就労支援のためのカフェレストランや会員制居酒屋を運営。不登校の子どもやひきこもりの若者のための居場所づくりや、社会参加のきっかけとなるボランティア活動の実施、地域住民との交流の場づくりなど幅広く活動している。(若者活躍・男女共同参画課事業「若者相談支援拠点」受託)平成 27 年度社会貢献者表彰を受賞。令和元年度から若者サポーターとしても活躍。


当日は『広場カフェ はるにれ』でお話を伺ってきました!


―今日はよろしくお願いします!さっそくですが、今のお仕事を始められたきっかけは何ですか?

「元々、命に係わる仕事に就きたくて、大学の時に消防士を目指していました。でも、それ以上に自分の生まれ育った米沢で働きたいというのが一番にあって。大卒・地方で、人の命に関われるような仕事という選択の中で消防士を目指していたのですが、採用試験にまさかの不合格。年齢的なこともあって消防士にはなれなかったんです。
それまでも色々ありましたが、高校大学まではトントンと進んできたので・・その時人生初の挫折を味わいました。」

 

絶対になれると思っていたものに、なれなかった。

失意の中でも、その後民間企業へ勤めたり、海外へ行ったりと様々な経験を積む白石さん。しかしそんな中、同級生が自らの命を絶ってしまうという出来事が起こります。

「なぜ彼が自ら命を絶たなければならなかったのか。彼の実家は隣町に引っ越し、自分の子どもが亡くなったことを親戚にも打ち明けられないご家族が居て・・。
もし学校に行けなくなったとしても、働けなくても。もう一度、いつでもチャレンジできる場所があったら。後押ししてくれる人がいたら、ちょっとしたきっかけでも何かは変わるのではないか。」

自分自身も挫折を経験したからこそ感じた、人の支えの大切さ。そんな“いつでもやり直せる場所”を作りたい。それがWith優の原点となります。

 

起業や立ち上げの仕方もわからない中でのスタート

「いざ立ち上げようとするとフリースクールには福祉事業と違って、決まった補助金がないんですよ。多くのフリースクールは月謝をいただきながら、半分ボランティアで活動している現状なんです。全国でも立ち上げた半分は、翌年になくなるような業種です。
起業の仕方も全然わからなく・・でも調べていくうちにNPOの存在を知りました。立ち上げるにはまず賛同者を集めようと思い、当時は今ほどSNSが普及してなかったので一軒一軒チラシを持って、自分の想いだったり、やりたいことを伝えました。
最初は突然行っても怪しまれたり、『うちは不登校と関係ない』と理解されないことの方が多かったですが、できるかわからなくても発信することは大事。自分が後悔しないやり方でやろうと思って、1カ月半くらいかけて7000軒まわりました。」

―7000軒!?それは相当大変でしたね・・。

「一日100軒以上を毎日まわるのは、気持ち的には折れそうな日もあったり、雨の日もあったり・・大変な時もありましたが、中には熱心に話を聞いてくれる方もいて、少しずつ賛同者が増えていきました。」

全員を味方にしようとするのではなく、まずは色んな人がいることを受け止めること。たとえ自分の思うような答えがもらえなくても気に病むのではなく、行動を続けた結果、2007年に5月任意団体『With優』を設立。

 

社会的には必要な場所、仕事としては難しい現実。

「立ち上げた当初はフリースクールの運営だけでは生活が難しく、でも、それでも続けたかったので朝は魚市場、夜は塾講師や家庭教師という生活をしていました。」

―それは凄いバイタリティですね・・!!

「ここでは学校と違って、生徒に何か決まったことを教えるのではなく、“やりたい事があったら、それをどうやってやるか”というような、諦めない自分自身の姿から何かを感じてもらうことも大事だと思いますし、好きなことだったから続けて来られました。」

フリースクールの立ち上げまでも、たくさんの困難を乗り越えてきた白石さん。でも活動はそこに留まりません。

―フリースクールだけではなく、他にもたくさんの場所を運営しておりますが、どんな経緯があるのですか?

「フリースクールからも卒業する生徒が出てくる中で、次は就労でつまづいてしまう・・そんな若者支援の必要性を感じて、国からの認定を得て『置賜若者サポートステーション』を開設しました。
また、なんとか就職が決まっても社会に出た後の方が大変なもので。就職した後も気軽に相談に来ることが出来る就職後の"居場所"も作りたいと、地域企業の寄付金の協力のもと立ち上げたのが『会員制居酒屋 結』です。」

就労を目指す若者がスタッフとして実践的なトレーニングに取組みつつ、卒業生たちも気軽に立ち寄り相談できる場になっています。(もちろん一般のお客様もOK!美味しい日本酒や料理をリーズナブルな価格で楽しめます◎)

その後も、昼間の就労トレーニングや親が孤立しないように小さいお子さま連れでも相談できる場として「広場カフェ はるにれ」をオープン。飲食だけではなく、地域の中で困っていることをお手伝いする「なんでも屋さん」(引っ越しの手伝いや、冬は除雪など)活動は多岐に渡ります。

 

若者への包括的なサポートと、地域の人と共に継続していくこと

「やはり"事業をどうやって継続していくか"を考え、フリースクールの運営だけでは難しいところを個人や地域企業からの寄付や法人全体の売上からまかなったり、地域の人たちから仕事を作ってもらったりしています。
立ち上げた時から“地域づくり”を掲げてきました。若者が地域の方と接する場や出番を広げることで、特定の人からだけではなく『失敗しても大丈夫だよ』ってたくさんの人に言ってもらうことや、子どもたちを地域みんなで支えていくことは大事。

悩んでいる子どもや若者に寄り添える人が居るのはもちろん、地域全体を巻き込んで、どんな子どもも若者も"笑顔で生き抜ける"ような地域にするため、挑戦し続けていきたいと思います。」

一度は挫折を経験しても、それを乗り越え自分の道へたどり着いた白石さん。「失敗しても、大丈夫。」大きな愛情と諦めずに挑戦していく姿は、これからもたくさんの人に希望を与えてくれるはず。

白石さんは山形県の「若者サポーター」としても活躍されているので、何かを始めたい・チャレンジしたい方(山形県内で地域を元気にするための活動をしている高校生~40歳位の団体または個人)は直接アドバイスも受けられます。
きっと何かを始める、勇気をもらえる。そんな白石さんの『大使館』へぜひ足を運んでみてくださいね!

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若者サポーター | やまがたおこしあいネット (yamagata-okoshiai.net)

(ライター・伊渕南々絵)