山形の若者の活躍や山形の魅力を発信する「やまがた若者応援大使」が、県内でチャレンジする若者に会いに行く『やまがた若者応援大使の“やまがた探訪”』も最終回です!

今回は「松本亭一農舎 の佐藤恒平さん」がUターンして西村山郡朝日町にある実家の菓子店で職人をしている方に取材に行ってくださいました。

#西松屋菓子店 菓子職人 白田常次さん
【探訪者 佐藤恒平さん】

西松屋菓子店 菓子職人・白田常次さん

僕の運営するゲストハウス松本亭一農舎から徒歩2分のところに、小さなお菓子屋さんがあります。 そこに僕と同い年の男性が Uターンで戻ってきたのは9年前のこと 。 生まれも育ちも違う僕らですが、ご近所さんということもあり、お茶のみ友達でもあります。そんな彼が、実家の菓子店の店内リフォームをしたいと言い出したのが昨年の春のこと、あまりお金をかけずに DIY でやってみたいと相談にきたのでした。あれから早9ヶ月、改装も完了した西松屋菓子店で、 菓子職人・白田常次くんにインタビュー!

左:改装前、右:改装後

ーというわけで、 変わりましたね店内。お疲れ様でした。
おかげさまで、こんな感じになりました。といっても、変えたのは壁と床と天井の色くらいで、あとは家具を処分しただけなんですよ 。イスやテーブルの 配置なんかはこれからじっくり考えていきたと思ってます 。

ーどうして店内リフォームをすることにしたんでしたっけ?
老朽化でいろいろガタが来ていたってのが1つ、もうひとつ大きかったのが菓子製造許可の制度が改定されて、お店でイートインの時にコーヒーやお茶を有料で提供する許可がとりやすくなったんですよ。なので、うちの店でもカフェっぽいことができるなと思って。

ー白田くんコーヒー好きだもんね。山形のいろんなカフェ巡ったりしてたし。最近はコーヒーの淹れ方教室に行ったりもしてたよね。
そうなんですよ。でも、一番問題だったのは、何からはじめていいのか全く見当がつかないってことでした。カフェをやりたいって言っても、そこから具体的に「どうしたい?」って聞かれると正直頭の中が真っ白になっちゃうんですよね。で、佐藤さんのところに相談に行った時に、たまたま若者サポーター※の話を聞いて、依頼してみたわけです。
※若者サポーター:若者の活動を応援するため、相談内容に応じた現地指導をおこなう“活動の助っ人”的な役割

若者サポーターの芳賀さん(左)への相談風景、和やかな雰囲気で話がはずみます

ーちょうど県の若者支援事業の事務局の人が松本亭一農舎に来ているタイミングだったから、なんか奇跡的出会いだったよね 。サポーター使ってどうでした?
1回目に相談したサポーターの松田さんと話す中で、「完成された理想のカフェ」を最初から目指すんじゃなくて、 まずは店内を綺麗に片付けて壁を塗り替えるという小さなゴールから達成しようと目標が決まったんです。
次のステップではサポーターの芳賀さん(DIYでカフェを開業した経験者)に、店まで来てもらって指導を受けました。ご覧の通り改装完了まで漕ぎ着けました。

ー改装は1人でやったの?
地元の朝日中学校の生徒さんが手伝ってくれたんですよ。夏に職場体験で中学生の受け入れをした縁で、秋に授業の一環で週1回ほど手伝いに来てくれて、みんなで壁や天井を塗りました。

地元の中学生が改装を協力してくれました。

ーなるほど、中学生パワーのおかげでもあるんだね。
あとは家族ですね。うちって、親子3代でやっている菓子店ですけど、店内改装したい ってのは最初は私だけの希望だったんですよ。でも壁や天井の色が綺麗になっていくにつれて、親父もやる気が上がったみたいで。天井の電気配線と床は本格的に業者に頼もうって決心してくれました。

ーあとはなんといっても、彼女の協力が大きかったんじゃない?あ、もう奥さんか。
はい 1月に無事に入籍しましたよ。 そうですね、ペンキの目張り作業とか、各所の片付けとか、スタートからゴールまで彼女がずっと手伝ってくれたおかげで、中途半端に投げ出さずにできたなって思います。

ーとりあえず、カフェが始められるところまでは来たけれど、これからどうしていくの?
今のところお店に人がいる時は、コーヒー・お茶・ハーブティーは各200円 で提供しています。うちの名物のシュークリームや、みそまんじゅう、あと焼き菓子もイートインできます。ただ、配達など不定期で不在な場合もあるので、事前に電話をもらえればいるかどうかお伝えできます。もちろんふらっと来ていただいても大歓迎です。

白田さんが丁寧にたっぷりと淹れてくれます。

ーカフェコーナーの利用客はどう?
目の前がバス停ですし、待ち合わせとかでご年配の方が主に使ってくれています。まだコーヒーの淹れ方は修行中ですが、丁寧にたっぷり淹れますので、ぜひ多くの人に飲みに来て欲しいです。目指しているのは、「なんも考えなくてよい安心の時間を過ごせる場所」です。

ー具体的なイメージはあるの?
活躍している他人をみたり 、先のことを考えすぎたりすると焦って不安になることあるじゃないですか、ああいうのから解放されるような場所にしたいんですよ。イメージとしては焚き火を眺める時みたいな癒される感じを生み出したいですね。

ーなるほど焚き火ね。確かにぼーっとすることに集中できるよね、焚き火がある空間は。
そうなんですよ。私はUターンでこっちに戻って来たばかりの頃って、 毎日が何かしなきゃいけないのに、この町は何もないっていう状態に不安になっていたんですよね。でも、佐藤さんとこでボードゲームしたり、町内の所々で焚き火して空を眺めたりと、何も無い今を楽しむ方法っていろいろあるなぁって気がついて。
特に、白鷹の353KUROGAMOというカフェに出会ったのはでかいすね 。そこのマスターと語る中で、「今、この場所を楽しむ」ってことをいっぱい教わった気がします。

ーそれって、大人ならではの遊び方だよね

そうですね。 高校までこの町に住んでいた時は全然気が付かなかった遊び方・考え方でした。 仕事も大事だけど、この遊ぶ気持ちを大事に日々生きていこうって思っています。そして、まもなく生まれる子供にもたくさん遊びを教えたいです。お店の壁や天井の塗り方なんかも、今度は私が子供に教える役ですね。

ーありがとうございました。また一緒に美味しいコーヒー飲みながら、ボードゲームしまょう。

「なんも考えなくてよい安心の場所」にしたいと、想いを語ってくれる白田さん

帰りがけ、「今一番楽しいことってなに?」と聞いたら、「今日あったことを家族に話すことかな 」という答えが返ってきました。山形に住んでいると、都会にあるような誰もが羨む何かは無いかもしれません。人口も少ないこの町では、友達との賑やかなワチャワチャも頻繁にはありません。でも、それでも訪れる日々の中からちょっとした何かを見つけ、それを楽しいと感じられることが 、白田さんの目指す「なんも考えなくてよい安心 」のカタチなのかなと感じました。

 

 

 

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