草鞋(わらじ)
小さい頃に古い資料館に行くと飾ってあるのを見たことがあるけれど・・
「どうやって作るんだろう?」
と、興味津々でこちらのワークショップに参加しました!
開催された場所は、こちら。
雪の里情報館
(以下、ホームページより)
雪害救済運動によって昭和8年に設置された、旧農林省積雪地方農村経済調査所(以下、雪調)の跡地に、当時の建物の一部を保存・復元して設置されました。雪調が調査収集した資料と、その後の各機関変遷の過程で収集されたさまざまな雪国・農村経済に関する資料の計4万点余を収蔵しています。
この積雪地方農村経済調査所が、雪害に苦しむ農村の救済・更生を担う機関として果たした業績を永く後世に伝えるとともに、雪国文化に関する市民の学習を促し、雪のふるさとづくりに資することを目的としています。
資料館の2階にある屋根裏部屋風の素敵な空間の奥が、今回のワークショップの会場。
はじめに、主催者のcommuneAOMUSHI横澤さん、遊び工房プロジェクトの星川さんからのご挨拶があり、
「ものづくりを通して、こどもたちやおとなが想像力や思考力をはぐくみ、
自分の手でつくる体験を通して、自己肯定感を高めていきたい。」
という想いをお話してくださいました。
わらじ作りを教えてくださるは、
日知舎の成瀬正憲さん。
(写真中央)
成瀬さん(岐阜県出身)は大学生の頃に山伏修行を経験され、その後羽黒町に移住。
山形県鶴岡市の三瀬地域で、山伏文化の活性化、月山山系の恵みである山菜・薬草・きのこの採集と流通、土地に暮らす人びとの手仕事のリデザインと流通、アトツギ編集室での諸事業、古民家改修、中学生から大人までの自主勉強会、大学講師、地域文化の調査研究とそれにもとづく表現活動 etc.
様々な活動や仕事を通して地域文化の継承を担われている方です。
今回のわらじ作りの使われるのは、‟ガマ”という草です。
藁で作る場合もあるのですが、ガマの方が耐久性がよいものが作れるとのこと。
ただ、その分、とても堅いため最初に霧吹きで水分を含ませて、
横づちでを使って、ひたすら叩いて柔らかくする!という作業がとても大変です。
ひたすら叩いていく作業は結構な重労働で、みなさん、ちょっと息を切らしながら作業されていました。
親子で草鞋作りって、いいですよね!
ガマが柔らかく、扱いやすくなったところで・・・
いよいよ、草鞋を編んでいく作業をスタート。
昔の人は、裸足になって足の指に引っ掛けて作業をしたり、編み台(写真)を使って編んでいたそうです。
力作業があったり、細かい地道な作業をコツコツと続けていくので・・
休憩時間もとりながら、お茶を飲みつつ、昔の人の暮らしに想いを馳せました。
今は、お金を出せば何でも買えてしまう便利な暮らしになりましたが、
おじいちゃん、おばあちゃんの世代は、こうして暮らしの道具もみんなで力を合わせて手作りしていた。
そんな風に考えてみると、
不便だったであろう昔の時代と、とても便利になった今の時代。
どちらが本当の「豊かなくらし」なのか?
と考えずにいはいられませんでした。
地道に編む作業を進めていくと、ようやく草鞋の形が見えてきました!
3分の2程度まで編んだら、次は『鼻緒』をつけていく作業へ進みます。
鼻緒は、ガマを綯(な)ったものを使うのですが・・
綯(な)う作業のコツを掴むまで、悪戦苦闘!
縄を綯(な)う=「編む」向きには、
左綯え(ひだりなえ)と右綯え(みぎなえ)の二通りがあるそうです。
縄の左綯え(ひだりなえ)は、天上にある太陽の巡行で、火(男性)を表し、
右綯えは反時計廻りで、太陽の巡行に逆行し、水(女性)を表している。
そのため、
祀る神様により男性・女性がいて、なう方向を使い分けていたとのこと。
神社のしめ縄はよく見ていましたが、左綯え(ひだりなえ)か?右綯え(みぎなえ)か?に注目して見てみると、面白いかもしれませんね。
平べったいガマが、こんな風に縄になっていきます。
草鞋の形ができてきました!
最後の仕上げは、指を入れる鼻緒の形を作る作業。
グ~っと引っ張ると、あら、不思議!網目が締まって、草履の完成です。
長時間のワークショップだったのですが、
達成感いっぱいのみなさんの笑顔で記念写真を撮影!
普段、履く機会も、触れる機会も、見る機会もない『草鞋』ですが、
今回のワークショップでは実際に作ってみる作業を通して、たくさんの気づきがありました。
- 便利なものがなかった時代の先人の工夫の素晴らしさ
- 自然と共存しながら生きていくための智慧
- 手間がかかるからこそ得られる喜びと仲間との絆
言葉で表せること以外にも、心でたくさんのことを感じられる時間でもありました。
今後も面白い企画がたくさんあるそうです!
<令和2年度若者未来創造事業フロンティアプロジェクト事業>
次回は12月13日(日)に開催されます。
「しなもっこタッセル」づくり体験 オンライン講座
ぜひ、詳細をチェックされてみてください!
yamagata体験プロジェクトのみなさん、
素晴らしい時間と空間を、本当にありがとうございました!
帰り際、自分で作った草鞋を持って、ハイ!ポーズ!