1月20日(木)に開催した第5回テーマサロン「featuring やまがた若者応援大使 場づくり×地域活動」。山形県から委嘱されている「やまがた若者応援大使」の白石祥和さんと宮城妙さんをテーマゲストとしてお招きし、Zoomにてオンライン開催しました。
その内容をピックアップしてご紹介します!
米沢市を中心に置賜地域で不登校、引きこもり支援をされている白石祥和さん。
フリースクール、就労トレーニングの場としての会員制居酒屋「結」、広場カフェ「はるにれ」を運営しています。地域の方と一緒に子どもたちを支えていくことがコンセプトです。
チラシを作って7000軒まわった
事業をしたいけれどお金がなかったので、自分の思いに賛同してくれる人を探したかったんです。今から15年くらい前なので、SNSなんてなかったですし、そうでなくともSNSは自分の思いが届いているかわかりません。だから、自分で直接伝えたかったというのがあります。大学でスポーツをしていたので、体力には自信がありました(笑)。
反応は?
突然訪ねると扉を開けてくれない方もいました。不登校、ひきこもりというものは自分に関係ないという方もいましたね。いろいろ言われましたが、一日一世帯くらいは応援してくれる方がいて。私はポジティブなので、応援してくれない人はそもそも関係ないし、全員の賛同を集める必要はなくて、理解してくれる人を探しました。結果、ボランティアで協力したいという方が11名も集まって、やる意義のある事なんだと再確認しました。
当時25歳だった私は貯金が全くなかったので、まずは任意団体として立ち上げました。学校に行っている子供たちを対象にしたイベントを企画したり、助成金に応募したりして資金を集めました。フリースクールを開校してからも資金は足りなかったので、別な仕事を朝夕しながらでしたね。でも、絶対必要なことだと思ったので続けてこれました。
米沢出身なので知り合いは多いですけど、知人づてに仲間を集めるより、ゼロから、全く知らない繋がりを作って一緒にやっていきたいという想いは強かったです。協力したいという方がいてくれたから、「じゃあやろう」という動きに繋がったと思います。
「拠点」の必要性
就労支援の事業を受託していたりもするのですが、もちろん就労も大切なんですけど、子ども・若者に居場所があるだとか、頼れる大人がいるだとか、そういうことの方が大切だなと思うので、相談できる場として拠点は必要かと思います。地域の方をまきこんで場所を作ってこれたという感じです。
農業、デザイナーとして働く傍らでマルシェを運営する宮城妙さんは、旧櫛引町出身です。一度県外に出ましたが、Uターンして2014年にくしびきこしゃってマルシェを仲間と一緒にスタート。その根底には、元気がなくなりつつある地域の現状を何とかしたいという想いがあったそうです。
Uターンしてみてどうでしたか?
高校生の時に過ごしていたよりも、外に出て戻ってきた分、何もない田舎だと思っていたことが間違いだった、ちゃんと見えていなかったということに気がつきました。櫛引というエリアは商店街などもないし、若者が遊びに行く場所も少なくて、エリア外に出て活動して帰ってくるような場所でした。そこで、外に出て行っているだろう若者が集う場があったらいいなと思って始めたのがきっかけです。
「マルシェ」を選んだのは?
なりゆきです(笑)。元々、私は物を作るのが好きで、あとは農家で農作物を作っていたので、出店したい側だったんです。その当時、2012年くらいは庄内でマルシェはまだ少なくて、そういったところに足を運んでいるうちに興味がわいてきました。出店したい、というのは周りに言っていたのですが、それが違う形で伝わっていて、マルシェをやってみないかという声かけを頂いたんです。
一回やってみて
実はスタートからくしびきこしゃってプロジェクトだったわけではなくて、鶴岡市の「まちづくり塾」の中で始まったものでした。そこに塾生として参加していて、いくつか行う実践の中の一つだったんです。
会場は普段ほとんど活用されていない広場だったんですが、たくさんの出店者の皆さんとお客さんに場を作ってもらうことができました。くしびきにたくさんの人が集まってくれたのが嬉しくて、感激して大泣きでしたね。
一緒にやってくれる仲間も「まちづくり塾」で出逢えました。私はリーダータイプではないので、得意分野をスタッフ同志でおぎないあっています。私は企画や広報などをやることが多いですね。
1年、2年と続けていくと、「次はいつやるの」と声をかけてもらえるようになりました。ワークショップを毎回企画しているのですが、それを楽しみにしてくれていたり。子育て世代の方にとってはあったほうがいい場所になってきているんじゃないかなという実感もあります。ここ4、5年は市の事業から独立して、自分たちの企画として運営しています。塾生以外のメンバーも増えました。
地域にとってどういう存在?
そこで過ごす時間を共有できたらいいなという想いはあります。「リアルの場」を作っていきたい、この地域で暮らす良さを味わってほしいと思います。ただ、コロナ禍で流動的になっているので難しいですね。マルシェ形態のイベントは庄内にもたくさんありますが、こしゃってマルシェの良さを自分たちで理解して、追求していった先になにか見えてくるものがあるんじゃないかなと模索中です。
現在就労支援や引きこもりの支援をしていく中で、家庭環境や居住地区によって就職が難しかったり、一人暮らしのハードルがものすごく高かったりというケースがあります。私達は就労支援はできますが、生活の話となると入っていくのが難しくて、そのあたりに関われるようなことを今後行っていきたいです。
お二人の活動に対する熱意や、楽しくやっている様子の伝わる2時間でした。
やまがた若者応援大使の白石祥和さん、宮城妙さん、ありがとうございました!
次回は2月に開催予定で、テーマは「山×島」です。
詳細はこちらからご覧ください!