幼稚園の先生をされていた柏倉さやかさん(さやぽん)と布施翔平さん(しょうやん)のお二人が、2020年4月に設立したのが「やまがた基地つくり」です。教育機関とは別の子どもたちの居場所を作ることを目指して、親子キャンプなどのイベントや、自然遊びの出張講師、子育てラジオ番組パーソナリティなどなど、幅広く活動されています。
幼稚園を退職し、新たな活動を始めるというのは大きなステップだったはず。そのきっかけは何だったのでしょう。
「若者サポーター」からの支援や人との出会いによって、自分たちの目指す形が見えたと語ってくれました。
『こども×しぜん×あそび』を主軸に活動しているやまがた基地つくりが、活動の中で大事にしているテーマがあります。
それは「五感を刺激する」こと。
便利な電子機器に囲まれた日常では、目から入ってくる情報に頼りがちです。いろんなものに敏感な子どものうちに、五感を使う機会を作り、私たちも子供たちと共感して遊びを展開していきたい。そこで、やまがた基地つくりでは、活動の中に音や形を探すネイチャーゲームを取り入れています。自然の中の音や、自然にあふれる様々な形に触れることで、子どもたちの感性が育つことを目標のひとつとしています。
今年(2021年)の4月から出演しているラジオでも、録音した音を聞いて何の音かを当てるクイズを取り入れました。
また、不定期にイベントを開催しています。
今回、8月3日にやまがた基地つくり主催で開催した「親子でおとまりかい『虫と、ともだちになろう』」にお邪魔してきました。
空は快晴!
日焼け止めと虫よけをしっかりつけて、真夏の森に入ります。
参加するのは、12組の家族、20人の子どもたち。虫取り網をしっかり握りしめて、でこぼこの道をお父さんお母さんと手をつないで歩きます。
一泊二日で行われたこのイベントのコンセプトは「虫とともだち」になること。
街中では出会えない虫たちと出会うために、ちょっとした罠を仕掛けます。一日目に設置した罠は、二日目にしっかり回収。作り方や設置方法も、やまがた基地つくりのお二人がレクチャーしてくれるので、安心です。
手作りした虫の餌には、バナナ、ベーキングパウダー、焼酎が入っています。1時間放っておいただけで、発酵で袋はパンパン、バナナはどろどろです。
作った餌をストッキングの中に入れ、口をぎゅっと縛ります。それを麻ひもなどで木に括り付ければ、完成です!虫が大好きな臭いは人にはちょっときついので、割りばしを使って作業します。
罠は、開けたキャンプ場のどんぐりの木に仕掛けます。カブトムシやクワガタは、どんぐりの木が大好きなのだそうです。
最後に、虫の好きな臭いが凝縮された液を、はけで木に塗り付けます。こうすることで、もっと虫が寄ってきやすくなります。
仕掛けが終れば自由時間!
虫取り網を構えた子どもたちは、暑さをものともせず木々の生い茂るけもの道に入っていきます。
すると、そこかしこで「捕まえた!」という嬉しそうな声が。
日中にも関わらず、捕まえたカブトムシやクワガタを子どもたちは嬉しそうに虫かごに入れていました。中には6匹もクワガタを捕まえた子もいて、やまがた基地つくりのさやぽんは「今年はクワガタが多いみたい。夕方なのにこんなに捕まえられると思わなかった」と意外そうに笑っていました。
その他にも、やまがた基地つくりでは・・・
・おでかけ基地(出張講師)
・SDGs基地
・YouTube基地 https://www.youtube.com/channel/UCeo6jk1ZSMyot2sj-glU7ag
さやぽん
新たなことにチャレンジして、すごく世界が広がったし、楽しんで活動させてもらっているので、子どもたちにも「チャレンジって楽しい」っていうことを伝えていきたいと思います。それから、私自身が子育てで悩むこともあるので、お家の人とも触れ合ったり話をしたりして、力になれるような活動を続けていきたいです。これからも前向きにチャレンジしていこうと思います。
しょうやん
私達と一緒に遊びましょう!自然はいいです!
これからも自分自身が色んなことにチャレンジしていきたいと思います。
親でも先生でもない第三の大人として、子どもたちと友達のような距離で関わり、共に遊ぶやまがた基地つくり。お二人の活動がやまがたの子どもたちに豊かな感性を与えてくれるのではと、お話を聞いて感じました。
これからの活動も目が離せません!