やまがた若者応援大使 #大山芙由美さん(村山市 民泊工房FUu~ オーナー)

自然豊かな山形県村山市。一軒家をリノベーションして『民泊』と『七宝焼』両方を体験できる「民泊工房FUu~」を営む大山さんに会いに行ってきました!


山形県村山市出身。「あとりえ・しっぽう」七宝焼作家兼、民泊工房 FUu~オーナー。
東北芸術工科大学環境デザイン学科卒業後、仙台の企業に就職。2016年から村山市の地域おこし協力隊として活動する一方で、七宝焼体験のワークショップを実施する経験から『民泊工房 FUu~』を設立。東京で開催されたアジアアート展では七宝焼の作品で秀作賞を受賞。


 

―こんにちは!大山さんは現在どんな活動をされているのですか?

「七宝焼の作品づくり、七宝焼体験、民泊を営んでいます。現在はコロナの影響もあり県内の方が中心ですが、2019年オープン当初は地域の方々から海外の観光客の方など、さまざまな方に利用していただいています。」

色とりどりに、様々な表情の輝きを見せる七宝焼。七宝焼は金、銀、銅などの金属に美しいガラス質の釉薬を用いて高温で焼く金属工芸品で、伝統工芸技法のひとつ。

 

―『民泊工房FUu~』という名前の由来は?

「自分が芙由美という名前で"ふーちゃん"といろんな方にずっと呼ばれていたというのがひとつ。
またこの家に来ていただけるとわかるのですが、ほとんど壁がなくて窓ばっかりなんですよ。夏はほとんどクーラーがいらないくらいすごく風が吹き抜ける、風が"ふーっ"と吹き抜ける家。
そしてここに来た時には、ちょっと日常を忘れてコーヒーを飲みながら、七宝の作品づくりをして"ふぅ"とひと息つける、にこっと笑顔になれるような場所にしたいという思いから『民泊工房FUu~』という名前になりました。」

山形県村山市、美しい田園風景が広がる場所に立地するこの場所は、四季と共に自然を感じることができる、川のせせらぎや夏には蛍も見られる豊かな土地です。

 

―七宝焼を始められたきっかけは?

「母が七宝焼の師範で、小さい頃から遊びのひとつとして七宝焼に触れる中で、幼いながらも"いつか手に職をつけたい"七宝焼で食べていきたいという想いがありました。

東北芸術工科大学の環境デザイン学科に進学し、仙台の企業に就職したのですが、7年位経った頃に母が倒れたことがきっかけで、2016年に地域おこし協力隊として村山市にUターンしました。」

 

人との出逢いから、広がる可能性

地域おこし協力隊の経験を通して、商店街の方や地域で活躍する面白い方など、たくさんの方と出逢った大山さん。そこからまた新たな転機が訪れます。

「協力隊の任期は三年間。その後はやはり七宝焼をやりたいという想いがあったので、まず工房が欲しいな・・と思って『家が欲しい』といろんな人に話をしていたんです。

そんな中で知り合いの不動産屋さんから、とあるご縁をいただきました。その方は県外に行かれるので『村山で活動していく人に家を譲り渡したい』という想いがあったそうで、ぜひ使って欲しいと家を譲っていただきました。」

―家を譲ってもらう!!それは凄いですね・・! 

「また予想以上に家が広かったのでどうしようかな…と考えていた時に、今までも色んな場所に七宝焼を教えに行ったりしていたのですが、その時って『時間』や『材料』も限られてしまうんですよね。

工房で直接教えることができたら、思う存分教えることが出来るし、寝泊りする場所もあれば時間も気にせずに、合宿所のような七宝メインの宿泊ができる施設にしたいと思って現在の『民泊工房』ができました。」

―『起業』される時に不安はありませんでしたか?

「正直、不安の要素を感じるほど考えてなかったかもしれません(笑)
緻密に数字や売上、経営計画書を考えると無謀だなとか生活できないのでは・・?という不安が出てくると思うのですけれど、自分の場合は家を頂いたので、まず家賃はかからない。
そう考えたら、もし失敗したとしても何とかなるかなと。失敗してもやり直しがきく失敗だったら全然いいかなってとりあえずやってみようと、不安はあまりなかったです。」

 

自分のやりたい事・想いを伝える大切さ

「問題点や悩みは考えても答えは出ないと思っていて、やってみて初めて答えが出ると思います。誰かしらにやりたいことを話すということも大事で、言わないと始まらないと思うんですよね。

それこそ、やまがた若者応援大使の佐藤恒平さんに、オープン前にどんな場所にしたらいいか相談に乗ってもらったり、大学が芸工大の環境デザイン学科だったので、友達の建築士に協力してもらって協力隊みんなでリノベーションをしたり・・。周りに助けてもらいながらここまでたどり着けました。」

―山形で"チャレンジ"していくことの良さは?

「いい意味で『やりたい事ができるハードルの低さ』があると思います。

『こういう事をやりたい』と発信していると、こんな情報があるよと回答が返ってきたり、『今度一緒にやらない?』と協力してくれる方がいて、自分の思っている以上に簡単にできたというか・・。それはやっぱり山形の人の温かさとか、繋がりが大きいからなのかなと感じます。

山形県や市の方からのサポートや協力もあり、『やりたいことを叶えられる協力体制』があるのが良いところですね。」

―これからの大山さんの目標を教えてください!

「まだまだ同世代など七宝焼を知っている方が少ないので、まずはより多くの方に七宝焼の楽しさを伝えていきたい。七宝焼きのオンラインショップも始めたばかりなので、民泊工房FUu~のHPリンクから是非覗いてみてください!!

新型コロナが落ち着いたら県内外や海外などのお客様にも来ていただいて、ここに来た方が村山の良さに興味を持って住みたいなと、移住のきっかけになってもらえたら嬉しいですね。そこまでいかないにしても、『面白い場所があるぞ』くらいに思ってもらえたら良いな。

私自身は大したことはできませんが、人との繋がりというものはすごく大事にしています。もし、やりたい事・不安になっていることがあれば、誰かしらこういう人が居るよ、というアドバイスは出来るかなと思いますし、七宝焼や民泊の方はもちろん興味あって行ってみたいなんて方も、ぜひ気軽に遊びに来てください。」

山形市内から車で約一時間。民泊工房FUu~の玄関を開けると、なんだか懐かしいような、居心地の良い空間に包まれます。癒しの雰囲気と自分のやりたいことを叶えていくパワフルさ、どちらの魅力も持つ大山さん。"ふぅ"とひと息ついて、笑顔になれる。そんな大山さんの『大使館』で、これからのやりたい事を話しながら、ゆっくりとしたひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

(ライター・伊渕南々絵)