「やまがた若者応援大使」が綴る『山形への想い』も5回目となりました。
今回は鶴岡市(旧櫛引町)で活躍する「くしびきこしゃってプロジェクト 代表」の『宮城妙(みやぎたえ)さん』です!!

山形への想い 宮城妙さん

『田舎のなかのいなかで暮らす』

私は、山形県鶴岡市(旧櫛引町)で生まれ育ちました。

実家はさくらんぼ農家。小さい頃から地区に商店は1店舗もなく、あるのは自動販売機一台(それももうない)。友達と特別に遊びに行くのは近くの山か川と決まっていました。小中高と進んでも、自分の暮らす地区は『田舎の中のいなか』。デザインの道を志したい高校生の私は、オラこんな村イヤだ〜の心境で東京の美大に進学します。ちなみに、この時点で農家を継ぐ気はゼロでした。大学卒業後は、都内デザイン事務所でインテリアデザイナーとして10年ほど働き、好きなことを仕事にして充実もしていたのですが、じわっと挫折も経験。離職した頃に起こったのが2011年の東日本大震災でした。南三陸町出身の夫の実家は流され、家族が被災しました。

できるだけ家族のそばで暮らしたい。山形には農園も私の父が持っている技術もある。夫が決断し、「半農×半デザイン」の暮らしを選択、2012年にUターンしました。その頃に出会ったのが、庄内・山形での暮らしをクリエイティブに楽しんで地域の魅力を積極的に味わっている友人たちです。その中でも、IUターンの彼らの視点は、「なんにもない田舎」と思いこんで地域のいいトコロが見えていなかった私の意識を180度ひっくり返します。

登山の山頂からの本当にいい眺め!
その山頂で360度の俯瞰で感じた人の営み。連峰のエリア感。
森を抜けたどり着いた湖の美しさ。
自然の中で食べるご飯のおいしさ。楽しさ。
雪の季節の厳しさと美しさ。
孟宗汁うまい!芋煮うまい!寒鱈汁超うまい!
文化の豊かなこの土地でつなぎ創造する魅力あふれる人たち!

…地域に潜り込んでいけば行くほど、すぐ近くにわんさか、たくさんあった!なんと味わい深く豊かな土地なのだろう。もちろん、都会と同じような華やかさや刺激はないけれど、山形らしいきらめきや向かっていけばガツンと出会える刺激がある。一度そのことに気がつけば、まだ出会えていないディープな山形の魅力はまだまだたくさんあると実感します。

もう一つ、私の意識を180度ひっくり返したのは『自分も地域に関わっていいんだ』という気づきです。地域や社会のことは自分が関わるものとも思っておらず「まちづくり」というと蚊帳の外にいる気がしていた2013年、くしびきこしゃってプロジェクトの活動の前身である「鶴岡まちづくり塾」塾生としての活動がスタートします。誘ってくれたのは中学の同級生でした。ないものはつくってOK!具体的に行動してOK!という土壌があったということもよかったのかもしれません。かつて私を驚かせた、地域の魅力を味わっている友人たちのように、私も何かやってみたいという気持ちに。地域の魅力を味わい尽くしたい、シェアしたい。そんな思いは、年4回春夏秋冬開催の『こしゃってマルシェ』の運営(2020年度は休止)や『庄内あっちこっちマップ』の製作につながっていると実感します。

人に言わせると、私は郷土愛に溢れて見えるのだそう。自覚はしていませんでしたが、オラこんな村イヤだ〜の心境で上京した私にも郷土愛はあったのです。紐解くと、小さい頃の楽しく美しい原体験も私の郷土愛を育んだ一つなのかもしれません。記憶に残るのは、小学校の時の、自転車で15分ほど行った山での渓流遊び。そこで友人の誕生会を開いた体験です。お祝いに川で冷やした果物を食べ、川に飛び込み遊んだ思い出は、大人になった今でもこの土地の魅力を私に揺るがず確信させる原体験となっています。

子どもたちにもそんな原体験を残したい。私自身ももっと出会い味わいたい。
私の、地域のいいトコロ・いいコト探しはまだまだ道半ば。これからも続きそうです。