山形の若者の活躍や山形の魅力を発信する「やまがた若者応援大使」が、県内でチャレンジする若者に会いに行く『やまがた若者応援大使の“やまがた探訪Ⅱ”』。

 今回は「GLAMPiC の芳賀温子さん」が2020年度に『輝けやまがた若者大賞』を受賞した『山形を熱くしよう!プロジェクト』の代表にインタビューしてくださいました。

#山形を熱くしよう!プロジェクト 代表 kiyoさん編
【探訪者 芳賀温子さん】

山形を熱くしよう!プロジェクト 代表のkiyoさん

今回、『山形を熱くしよう!プロジェクト』代表のkiyoさんこと土田清隆さんを取材させていただ きました。kiyoさんとお会いしたのは今回が2度目。1度目は、kiyoさんが主催した『色彩のマルシェ』のフラッシュモブにプライベートで参加させてもらいました!

ーお久しぶりです。はじめに簡単な経歴をお願いします!
 山形県の大江町出身です。両親が飲食店を営んでいた影響から、高校時代より調理科に通い、料理を専門に学ぶ傍ら、趣味で音楽活動をしていました。卒業後、フランスへの料理留学か東京への修行かの選択で、上京を選択。飲食の道を学びながらも、趣味の音楽活動が軌道に乗り、東京での2人組音楽グループを結成し、TV出演なども多数しました。その後、紆余曲折あり、2012年に『山形を熱くしよう!プロジェクト』を立ち上げ、同年30歳の時に山形にUターンし、今に至ります。

ー今はどんなことを仕事にされているのですか?
 仕事としては、マルシェやその他イベントの企画運営の仕事と、トマチキ食堂という飲食店の仕事が半分ずつくらい。そのほかにも動画制作や工作の先生、シンガーソングライターとしても活動しています。

天童にあるkiyoさん経営の「トマチキ食堂」

ーなぜUターンしようと思ったのですか?
 当時、東京で焼肉屋を3店舗任されていて、両親を養えるだけの財力も備わってきたので、両親とともに東京で暮らすことも考えていたころでした。ちょうど4店舗目の話をもらったときに、両親に東京での暮らしのことを相談したところ、「山形に帰ってきてやってみたら?」と言われ、上京する頃からいつかは山形に帰ることを視野に入れていたので、このタイミングだと思ってUターンすることにしました。

―Uターンしてから今に至るまでのkiyoさんの活動を教えてください。
 2012年にUターンして、まずは3年間実家の飲食店の手伝いをする代わりに食住を提供してもらうところから始めました。実家の店舗の売上を130%に改善する傍ら、山形には出逢いの場所がない、遊べる場所がないことに課題を感じ、50~70名規模の芋煮会、廃校を活用した運動会、ゴミ拾い活動、そして35歳以下を集めたビュッフェパーティーなども開催しました。その後ももっと多くの人が楽しめる何かをしようと、東日本大震災の復興支援チャリティーイベントなども開催しました。コロナ禍の2020年からは、マルシェ開催に力を入れはじめ、3年間で約15本ほどのマルシェを開催し、現在では平均2,000人を動員できるようになりました。その結果、最近では県や市町村からイベント運営をお願いされたりするようにもなりました。

マルシェではこどもからおとなまで多くの人が行き交う

ーいくつものマルシェを開催されてきた中で、昨年秋に『ユメナルフェス&YUMENARU MARCHE』という有料のイベントを開催したと耳にしました。『ユメナルフェス』はどんなイベントで、どのような想いで開催されたのですか?
 自分より若い世代のエンターテイメント業界の人が活躍できる場所がまだまだ少なく、山形では夢と現実がリンクしずらい状況になっています。そんな状況を打破したくて、山形で夢が叶う場所をつくりたいという想いを込めて一部有料のイベントを開催しました。

ーなぜ、有料開催に?
 出演者やスタッフにきちんと対価を払いたいから。自分自身もこれまでに様々な場所で無料で歌ったり、時にはこちらが場所代を支払って歌わせてもらったりしてきたけれど、それではエンタメ業界の人間は生活していけない。才能や魅力のある演者なら、それに見合ったお金をもらえるイベントにしたいと思ったんです。ただ、そもそも山形に入場制限が完全にできる公園などがなく、一部のみの入場制限にせざるを得なかったので、一部有料というかたちのイベントにしました。

ーお客さんや演者さんの反応はいかがでしたか?
 一部有料でも、お客さんには有料というイメージがかなり強くついてしまうのだなと感じました。また、マルシェなのかフェスなのかよく分からないという意見もありました。通常のマルシェよりは多少動員は少なかったけれど、パフォーマンスを有料でも見たいと思うお客さんが来てくれるうえ、出演料ももらえるから、演者の満足度は高いのかなと思います。

ー有料イベント開催を含め、今後の展望を教えてください。
 有料イベントについては、現状では開催日は決定はしていませんが、必ず開催します。ユメナルの反省を活かし、ただ動員が多いイベントというよりは、出展者や志向を絞ったイベントを考えています。

 今後の展望としては、イベントでは「山形を熱くしよう!プロジェクト」でいつか東北を回ってみたい!移動式サーカスみたいな形で色々な土地で山形をPRできるイベント開催ができたら面白いよね。この5年で東北を、さらに10年で全国を回れるようにしたい。既に平均2,000人を動員できる告知力はあるので、イベントプロデューサーみたいな立ち位置になって、イベント開催委託などしてもらえたらなと思います。例えば、リナワールドさんのようなところから声を掛けてもらえるようになったら嬉しいな。

 飲食では、店舗にタレントの養成所としての役割も持たせたい。稼ぎ場所としてはもちろん、タレントとして生きていくための人間性や接客スキルなども鍛えられる場所にしたい。そして、イベントのときはみんなでお店を休みにしてイベントに行く、みたいなことができたらいいよね。イベントにトマチキ食堂としてキッチンカー出店をして、皆が代わる代わる店番をしても面白いよね。

―kiyoさんの活動の原動力は何ですか?
 人を楽しませたいという想いが一番!!誰かがピンチのときの方が燃えるので、誰かがピンチのとき、いつもそのピンチをドラマに変えてやろうと思っています。

ー山形をもっと熱くするために必要なことを挙げるとしたら何ですか?
 エンタメの若者が活躍できる場所、イキイキ輝ける場所が欲しい。それと、地元の若者の夢に投資して応援してくれる上の世代がもっと増えたらいいなと感じています。チャレンジ精神のある人に投資できる大人がいれば、山形は変わってくると思います。

わくわくが広がる世界へのトビラ

ーー『色彩のマルシェ』でご一緒した際にも感じましたが、今回取材をしてkiyoさんはとにかく熱くて、信念がある方だなと改めて感じました。
 チャレンジ精神を持った人たちはある程度いるけれど、kiyoさんはチャレンジ精神があるだけではなく、チャレンジ精神を持った自分と同じような境遇の人に、自腹を切ってまでチャレンジできる場を作り出していました。こうした大人が増えれば良い循環が生まれるはずで、多くの人にkiyoさんとこの活動を知ってもらいたいし、こうした好循環を作り出せる人や活動、場やシステムに予算や資金が集まる仕組がほしいと感じました。
 また、とても熱く勢いのある方なので、勢いでこれまでの経験を積んできたのかと思いましたが、想像とは真逆でかなり慎重なタイプの方でした。取材しながらも、例えばイベントの動員人数の予想、また県や市町村から予算が出たときの予算配分など事細かに数字で説明して下さり、かなり計画性もある方です。kiyoさんの活動の実績は、人を楽しませたい想いに加え、綿密な計画と惜しみない努力の結果だと感じました。