山形の若者の活躍や山形の魅力を発信する「やまがた若者応援大使」が、県内でチャレンジする若者に会いに行く『やまがた若者応援大使の“やまがた探訪Ⅱ”』。

今回は、「くしびきこしゃってプロジェクト代表の宮城妙さん」が、こしゃってマルシェでワークショップを展開した皆さんと座談会を開いてくださいました。

#古今coconオーナー 富樫あい子さん×こども服交換会メンバー座談会
【探訪者 宮城妙さん】

鶴岡市山王通りの一角にある『古今cocon』。
お醤油屋さんだった古い町屋は、リノベーションされ複合ショップ&お座敷イベントスペースとして、まちに開かれています。オーナーの富樫あい子さんが開催している「こども服交換会」をこしゃってマルシェでもやってほしい!と相談し、実現したのが今年の5月。今回は、こども服交換会の実行メンバーの皆さんとお話をしに、古今coconへおじゃましてきました!

<<右から:小田舞緒さん、富樫あい子さん、庄司彩未さん、庄子昂之さん>>

座談会メンバー紹介!

  • 富樫あい子さん/古今オーナー、酒田市出身、3児の母
  • 庄司彩未さん/山形大学農学部4年、酒田市出身
  • 小田舞緒さん/山形大学農学部4年、青森県出身
  • 庄子昂之さん/山形大学職員、宮城県出身・鶴岡2年目

ー「こども服交換会&リメイクワークショップ」ありがとうございました!富樫あい子さんが発起人ということですが、どんなふうに始まった活動ですか?
(あい子さん)こども服はいっときしか使わないものだけど、買って捨てるサイクル前提のものが販売されている現実にショックを受けた経験があったんです。そうは言っても服は必要で、購入もするけどどこか罪悪感もあって。古今に集うお母さんのコミュニティがあったので、あれこれ考える前に1回目の「こども服交換会」をやってみよう、と。

ー1回目の「こども服交換会」はどんな会でした?
(あい子さん)お母さん同士の出会いがあって地域コミュニティとしてはいい循環を感じたものの、資源の循環としては持ち込みの服の方が多く、1回目ではあまりうまくいきませんでした。こども服がどっさり残ってしまったんです。そこで、衣服の循環をテーマに活動をしていた彩未さんに相談してみたんですよね。

(彩未さん)私はファッションが好きなんですが、あるときファッションの負の側面を知って、好きだからこそ自分も問題解決のためにアクションを起こしたい!という気持ちで、服のごみ問題について考えるワークショップや自分の愛用品を循環させるフリマを企画・参加したりしてきました。「衣服の循環」という自身のテーマと合っていたので、どうしたらうまく循環できるか一緒にあれこれ考えるところから参加しました。

ーもともと皆さんは、障子の張り替えなどで古今に関わってたんでしたっけ?
(昂之さん)僕は、移住当初に参加したイベントで、庄内地域の人とはじめてつながりができた場所が古今でした。そのときに、障子張りのイベントがあると知ってつながりができていきました。

(舞緒さん)私も彩未さんも、それぞれリノベーションのお手伝いなどで古今に関わらせてもらっていました。

(あい子さん)舞緒さんはマルシェ当日は来られなかったんだけど、今回の企画の主要メンバー。古今に関わってもらった人たちが、こども服の循環をテーマにゆるく集まった実行委員会という感じですね。

(昂之さん)こども服交換会は、3人がすでに熱い想いで取り組んでいる活動だったので、僕はその想いがどうやったら次の人に伝わるかを考えるのが好きで参加させてもらった形です。彩未さんが話した「心地よい服の手放し方を提案したい」という言葉も印象的で。

(あい子さん)こしゃってマルシェでの交換会は、やってみて気づいた課題もあったけど、これからも課題解決に挑戦しながらゆるやかに続けていきたいと思っています。

<<こども服交換会&リメイクワークショップ@こしゃってマルシェ>>

<<こども服交換会&リメイクワークショップ@こしゃってマルシェ>>

ー循環の輪が広がっていくといいですよね。
質問ですが、皆さんみたいに興味があることに自主的に行動できる人は周りに多いですか?「動いてみたい」と思ったきっかけは?
(彩未さん)私は、“古布”や“古着”がとにかく好きで「衣服の循環」という自分から湧き上がるテーマがあるのが大きいと思います。地球規模の課題を解決するためのアクションだからグローカルにここでやってもいいよね、と。庄内の豊かな風土が育む地域文化に私は魅了されているのですが、ものを大切にする文化も当たり前にあったんですよね。私たちが豊かに生きるヒントはすごく身近なところに潜在してるんじゃないか?と思うんです。

(舞緒さん)私は、実は地域に愛着を感じていたわけでもなく一歩が踏み出せなかった側の人間なんです。知人を通じて古今のリノベーションワークショップの存在を教えてもらって。参加してみたら、あい子さんはじめ頼れる大人の存在を知りました。見守ってくれる周りの人たちの存在があったから、私にとっても庄内が安心して挑戦できる場になっていきました。

ー安心して挑戦できるってとても大事!やってみないとわからないこともたくさんあるし。あい子さんも、まず始めてみて、やってみて得られた気づきから調整して発展させているように感じるのですが。
(あい子さん)確かに、トライしながら進んできた感じです。100年も続いている商店街によそから越してきたときは不安もありました。ここでは、「やってみれ」と言う雰囲気があって、商店街の皆さんが適度な距離感で見守ってくれていたと気付いたんです。地域に見守られて古今の活動を受け入れてくれた実感があったから「まずやってみる」ができた。古くからある商店街なので次に続く人への責任もあると思っています。

(昂之さん)僕の好きな言葉で「依存先が多ければ多いほど結果的に人は自立できる」という考え方があるんです。帰れる場所や逃げ場があれば結果的に違うフィールドでも戦える。見守ってくれる周りの人たちの存在が支えてくれているというのはありますよね。

(彩未さん)頼れる大人がたくさんいるのはとっても素敵なことだと思う。あい子さんはじめ、他にもいろんな大人に相談できる雰囲気が庄内にはあるように感じています。私も決して行動力があるからできているというわけではないんです。「やりたい!」と声を上げたら助け舟を出してくれる周りの人たちの支えがあるから挑戦できているんだと思います。

(昂之さん)動き出すはじめの一歩を踏み出すきっかけや人、居場所があるって大事なこと。大学で仕事をしていると、それらの情報が届いていないことが多いように感じます。古今での障子張りのワークショップは、堅いテーマがあるわけでもなく、誰でも来られて、学生も参加しやすいとてもいいイベントだったと思います。僕としては、どうつながったらいいか分からない人が一歩目を踏み出しやすい環境づくりをしていきたい。地域のこと、情報などを学生にどう届けるかを考えたいなと思いました。

(舞緒さん)可能性の一つとして、地域で活躍する大人のネットワークに、若者がもっと入り込めれば「挑戦してみたい」気持ちが前向きになるのでは?と思いますね。若者のこれからを見出す課題解決になるかもしれないので、研究してみたいです!

<<通り土間に風が通り抜け、人が集う。『古今cocon』は、関わりが生まれる拠点になっている。>>

ーーその後、オフレコでもっと深くてパーソナルな話もしながら、あっという間に時間が過ぎて行ったのでした。

大人の考える若者像はピントが合っていない可能性も大いにある。地域が見守り、相談できる大人がいるということが実感できれば、若者の動きは変わってくるのではないか。もちろん、大人は支える側という単方向の構図ではなく、もっと相互的なもの。こうやって「学生×地域で活動する大人」、「地元の人×移住者」が集える場所と時間は、とっても貴重で大切だと実感しました。

現に、私はこの日の座談会で学びも刺激もたくさんもらったし、なんだか希望とやる気がむくむく湧いてきたのです。

関わりが生まれる場所『古今cocon』から、庄内から、どんな動きが広がっていくのか、これからがとっても楽しみです!