凍てつく冬もようやく終わり、
春の足音が聞こえてくる季節になりました。

若者支援コンシェルジュは昨年の7月にスタートして
ようやく9カ月目を迎えますが、
本当にたくさんの素敵な方々との出会いがありました。

今回はその中から、陶芸家の清水貞志さんを紹介します!

 

■家族4人で三川町へ移住

清水さん一家が居住するのは、東田川郡三川町。広々とした昔ながらの家屋に、妻と女の子2人の4人で住んでいます。
実家のある茨城県からこの町に移住したきっかけは、妻の祖母が住んでいた家が空き家になったことでした。山形市の東北芸術工科大学出身で、山形に馴染みもあったことから、自然豊かなこの地へとライフステージを移したのです。

実家は「笠間焼」で有名な茨城県笠間市の隣にある、茨城県城里町。両親とも陶芸家で、小さい頃から粘土で遊んでいた清水さん。大学では彫刻を学び、卒業後は実家で石の彫刻を作ったり、陶芸の講師として勤務したりしながら、5~6年前から陶器の器も手掛けるようになりました。
「ものを作るのが好きで、特に動物をモチーフにしたオブジェが多いですね。動物は表情が豊かでおもしろいですから」

 
母親が制作したひな人形は、愛する孫たちへ
 


父親の作品。「まだこの域に達していない」と清水さん

 

■炭化焼き締めの魅力   

彫刻と陶芸を用いたものづくりを生業にして18年。
清水さんの作品は、迫力あるシーサーから色鮮やかな器まで、さまざまです。

濃淡のグラデーションが美しい動物のオブジェは、
「炭火焼き締め」という工法が使われているそうです。
作品をもみ殻の中に入れて炭火で焼くのですが、炭の量やもみ殻のかけ方によって発色が変わるので、どんな色が焼き付くかは調節次第。
「現在は、作業場がやっと整ったところなので、譲り受けた電気窯を使っていますが、そのうち炭化焼き締めの環境も作っていきたいですね」と、清水さん。
今は、4月に開催予定の宮城県での展示会にむけて、制作をすすめています。
どんな作品に仕上がるのか、楽しみです!

 


 

■山形の土と自然を感じながら

現在は県外から発注を受けて作品を納品する日々ですが、
大学時代の恩師や仲間とともに、新しいことにも挑戦を始めています。
「焼き物は、じかに手で土を触りながら形を作り、表情をつけていき、焼いた時にどうなっていくかという期待感と、時には予想しなかった出来栄えになるという意外性とがあり、やっていて楽しいですね。
材料となる土は、県外に買い出しに行って調達していましたが、最近、山形の土を買いました。山形に来て、これから何をしていこうかと手探りをしながら、もうすぐ一年になります。これからは、徐々に地域の人たちと何かできればいいなと思っています」

 

釣りとオートバイが趣味、という清水さん。
家族とともに暮らす山形での陶芸家生活の中で、これからますます、
素敵な作品を世に送り出してくれそうです。

 


 

■Profile 清水 貞志 Shimizu Sadashi

居住地:山形県東田川郡三川町
1979年生まれ、茨城県城里町出身。陶芸家の両親のもとに育ち、東北芸術工科大学で彫刻を学ぶ。彫刻と陶芸に関する仕事を続け、39歳の時に家族4人で妻の実家のある山形県へ移住。自宅の庭に作業場を作り、陶芸家として作品を作る。
(清水さんの連絡先が知りたい方は、若者支援コンシェルジュ事務局までお問い合わせください)