米沢市の3大学(山形大学工学部・山形県立米沢女子短期大学・山形県立米沢栄養大学)の学生で構成するイベントボランティアサークル「アクセルリンク米沢」は、2012年発足からこれまでの間、先輩から後輩へと受け継がれ、現在も50名以上のメンバーが活動をしています。

米沢市の冬の名物イベント「雪灯篭まつり」の準備をする「アクセルリンク米沢」のみなさんを取材してきました!

 

早稲田大学の学生のみなさんと一緒に雪灯篭づくり

 「上杉雪灯篭まつり」は、豪雪を利用して松が岬公園一帯を主会場に約200基の雪灯篭と1,000個の雪ぼんぼり(雪洞)が灯る米沢市の冬の一大イベントです。

令和7年2月8日・9日の開催に向けて、多くの団体や企業が雪灯篭を作りますが、「アクセルリンク米沢」も雪灯篭を作るということで、訪ねてきました。

板で覆われた雪の塊は、雪灯篭を作るために準備されたもの。

この日は、奇しくも東京都の早稲田大学から学生のみなさんが来ていました。早稲田大学では、国内各地でネットワークを構築するという活動をしており、米沢市を通して今日の合同での雪灯篭づくりが実現されたそうです。

 

早稲田大学では、地域の学生と関わるプログラムを展開中!

「私たちは、地域の学生さんと行き来することでネットワーク型のサスティナブル社会を築き、どこにいても仲間がいて助け合うことができる学生を育てようという取り組みを行っています。
米沢では、年2回程度合宿をして、米沢の変化をレビューしていこうと思っています。地域の学生と関わることで、地域の現場や実情を知り、支え合うこと・つながることを学生に学んでほしいですね。困った時に凹むのではなく、動ける学生を育てたいです」
と話すのは、早稲田大学社会科学総合学術院の早田宰教授。
米沢市は、環境省の『SDGs未来都市』と『地域循環共生圏』のどちらも採択されており、その『為せば成る』精神に感銘を受けた学生たちが「ぜひ米沢に行きたい」と活動場所に選んだそうです。

★早稲田大学社会科学総合学術院の新たな取り組み「ソーシャルイノベーション・アクセラレートプログラム」ウェブサイトはこちら

 

アクセルリンク米沢と早稲田大学の学生さんが一緒に行う「雪灯篭づくり」が始まりました。まずは、アクセルリンク米沢のメンバーから説明があり、一緒に雪の固まりの板を外すことからスタート!

降りしきる雪の中で作業の説明
雪灯篭の形になるように、型に沿ってラインを書きます
雪を削る作業。凍っているから、わりと固い!
可愛らしい雪ぼんぼり(雪洞)づくり
だんだん雪灯篭の形になってきました

 

この日は大寒波が来ていて、大粒の雪が降りしきる中での屋外作業。帽子の上に雪が積もり始めても、時間いっぱいみんなで雪灯篭づくりをしていました。

 

 

こうした合同での体験活動が実現できるのも、米沢市と良好な関係を持つアクセルリンク米沢だからこそかもしれません。早稲田大学の学生のみなさんとの交流は、これからも続きそうです。

 

(写真提供:早田宰教授)

 

 

アクセルリンク米沢ってどんなサークル?

 後日、アクセルリンク米沢のコアメンバーの方々を訪ねて、どんな活動をしているのかをインタビューをしました。

中央:代表 片山拓朗さん
左:前代表 小栗立暉さん
右:前々代表 阿部優人さん

 

Q.どんな活動をしていますか?

 

小栗さん:アクセルリンク米沢は、おもに地域のイベントで子ども向けの屋台の企画運営をしています。小野川温泉ほたる祭り、紅花まつり、秋祭り、雪灯篭まつりが主要なイベントで、他にはコミュニティセンターでのお祭りのお手伝いをしたり、花火大会のイベントボランティアもしたりしています。

今は、メンバーは5060人くらい。米沢女子短期大学と山形大学工学部、栄養大学の3つの大学生が所属しています。

もっと活動を見てみたい方へ!アクセルリンク米沢Instagramはこちら

Q.そもそものサークルの始まりは?

 

阿部さん:発端は、東日本大震災での避難所ボランティア活動だったと聞いています。若者の力や可能性を感じた米沢市の職員がきっかけを作り、2012年に団体が発足。のちに「アクセルリンク米沢」と改名したそうです。

 

Q.活動に参加してみて、どうでしたか?

阿部さん:私が大学一年生の時は山形市内のキャンパスで、仙台から毎日通っていたので授業以外にあまり時間がとれなかったし、コロナ禍だったのでサークル活動ができなかったんです。

二年生になって米沢市に引っ越し、「大学生らしいことをしたい」と何かサークルに入ろうと思いました。もともと高校で生徒会をしていて、イベントの運営など好きだったので、活動内容を見て今までしてきたことが活かせると思い「アクセルリンク米沢」に入会しました。

入ってみて、予想以上にたくさんの人と関わりができて、いろんな人の考え方や想いに触れることができて楽しかったです。代表になって、人を動かすことの大変さも経験することができました。大変だったけど「できた」という体験を得られて、やってよかったという思えましたね。

小栗さん:入学して何かサークルに入りたいと思った時に、バーベキューなど楽しいこともあることを知って入りました。入会すると、イベントを通して米沢市の職員や県外の人たちと交流する機会もあり、いろんな人と知り合えるサークルで、自分のために絶対なるし、ワクワクするなと思い、積極的に参加するようになりました。代表になって自分の考えを共有する大変さなども学ぶことができました。 

片山さん:インターネットで「自分から行動しないと充実した大学生活にならない」というのを見て、サークルに入ろうと探した時に、一番自分に合っているかなと思えたのが「アクセルリンク米沢」でした。入会してみると、先輩がいろいろ教えてくれるし、大人の人たちや県外の人たちとの交流もあって、いろいろな人と関われるのが楽しいというか、大学生のうちにそういう方々と関われるのは、とても貴重な体験だと思っています。今、代表になっていろいろ考えさせられるし、自分の成長の場になっていると思います。

 

Q.これからの想いを教えてください

片山さん:人数が多くなるとチャレンジできることも増えるので、もっと多くの学生に参加してほしいと思っているのですが、そのためには一人ひとりの想いを知りながら活動していくことが大切だなと思っています。元リーダーの二人が身近にいてくれるので、見習いながらがんばっていきたいです。

 

Q.アクセルリンク米沢に興味がある大学生にメッセージをお願いします

片山さん:イベントボランティアは、人から感謝されることを実感できるボランティアだと思うんです。だから、やりがいをとても感じられる。子どもたちから「楽しかった」と言ってもらえたり、笑顔を交わせたり、それがすごく嬉しいです。たくさんの学生のみなさんに参加してもらえること自体がとても嬉しいことなので、「行ってみたい」くらいの軽い気持ちで参加してもらえたらと思います。

 

 

2012年発足から10年以上経過した今も衰えることなく活躍する「アクセルリンク米沢」。地域と密接にふれあいながら活動する「イベントボランティア」という貴重な体験を通して得たものは、きっとかけがえのないものだと思います。

団体をまとめるということは簡単ではないと思いますが、笑顔で万進するリーダー3人に話をお伺いして、これからの活動の行方にワクワクしました。

取材を通して、お世話になりましたアクセルリンク米沢の皆様、早稲田大学の皆様、米沢市の皆様、素敵な活動にお邪魔させていただき、ありがとうございました!

 

2025年2~3月取材

作成:海谷美樹

 

 

記事番号:26424

地域活動INDEX アクセルリンク米沢