528日(日)、東根市公益文化施設まなびあテラスで対談公開生配信「まちの選挙を変えた!ローカルサイト『いどばたネット』秘話」が開催されました。

主催は「みんなのまちひがしね市民会議」。

「選挙や議員、議会の“ナゾ”に光を当て、その“おもろさ”を共有しよう」
をコンセプトに発足し、現在4名で活動中のプロジェクトです。

 

開催のきっかけ

 

みんなのまちひがしね市民会議 山本泰弘さん

発起人の山本泰弘さんは、公務員という職業柄もあり、日ごろから「地域の選挙や議員、議会はほんとはおもしろいのに、若い世代はじめ多くの人には、怪しい“ナゾ”のように思われているんじゃないか」と感じていたそうです。

ある時、プロジェクトメンバーが関わっていた最上地域のローカルサイト「いどばたネット」が、新庄市の選挙や議員に関する情報を収集・発信しようとしていると聞き、注目しました。

 「議員が“ナゾ”の存在だったら、住民は要望があってもそれを届けられずに、抱えたままになってしまうと思うんですよね。議員や候補者がどんなことにどんな思いで取り組んでいるのか、もっと住民が知ることで、若い世代を含め、住民が積極的にまちづくりに関わることができるのではないか。そんな話をしていた時に耳にしたのが、『いどばたネット』の取り組みでした」(山本さん)

 

「いどばたネット」の取り組みを知って

「いどばたネット」は、最上(もがみ)地域のローカル情報を発信するサイトとして2022年7月に開設。同年12月には、2023年4月に控える新庄市議会議員選挙を意識し、中立の立場で政治の情報を発信し始めました。

 

最上のくらしを語り合うローカルサイト「いどばたネット」(画像をクリックするとサイトが開きます)

 

このサイトでは、「市長と議員はこんなに違う!選挙の基本を学ぼう」といった基本の学びから、市議会議員選挙の立候補者の意見表明や動画メッセージなど、選挙に関する知識やリアルな情報を発信しています。市報や新聞だけでは見えてこない立候補者の顔や言葉を見ることができるという取り組みです。(※現在、動画の公開は終了)

また、普段は、地域のローカルメディアとして、イベント情報や、子育て・教育に関するコラムなどを掲載しています。難しい印象のある「政治・選挙」に対して、入りやすい窓口を設けるというのも、身近に感じてもらうための工夫だそうです。

 

「いどばたネット」を開設したのは、麦角社(ばっかくしゃ)の渡辺悠樹さん

「井戸端会議の感覚で、みんなの声で町づくりができるような、声のプラットフォームにしたいと思っています」と語ります。

渡辺悠樹さん

千葉県出身。新庄市の地域おこし協力隊として山形県に移住。WEBライター、編集者として活動し、2021年に麦角社を設立。以来、「いどばたネット」に加え、最上地域の農業を紹介するサイト「農家のつくえ」などを運営している。

 

山本さんは、「これから東根・天童・村山などで選挙が行われるタイミングで、このような取り組みを知ってもらいたい、広めたい」と思い立ち、今回のイベントを企画しました。

 

『いどばたネット』運営者を招いて

 

5月28日に開催された「まちの選挙を変えた!ローカルサイト『いどばたネット』秘話」では、「いどばたネット」の渡辺悠樹さんを招き、対談形式でサイト開設のエピソードが紹介されました。
会場とオンライン合わせて15名が参加しました。

 

トークの中では、

  • 首長・役所がまちづくりを主導する「地方行政の力の強さ」
  • 選挙について発言をすると波風を立てるようにとらえられてしまう空気感
  • せまい地域ならではのまちについての考えの言いづらさ

など、現在地方政治について感じている課題や現状について紹介され、ゲストも参加者も本音で語る場となりました。

 

議員は選挙によって市民が選ぶ代表ですが、『応援したいと思える人がいない』や、そもそも『何を見ればいいのか分からない』『議員さんが普段何をしているのか分からない』という声があるのも事実。
渡辺さんは、『今はネット選挙の時代』と定義して、『いどばたネット』での議会情報発信やインタビュー掲載などを今後も続けていくそうです。

 

 今後「議員って何?」という“ナゾ”が、こうしたプラットフォームによって解明され、もっと市民が政治に参画できる地域になることを目指して、イベントは締めくくられました。

 

開催してみて

 

初のイベントを開催してみての感想を、山本さんと、共に活動をしている長沼俊さんに伺いました。

 

山本さん(写真右)

「今回は新庄市の取り組みを学びましたが、全国を見れば、ユニークかつ、よく練られた政策提案や情報発信、議員活動がまだまだあります。

まちづくりというのは、誰か偉大な指導者が現れて全部やってくれる、変えてくれる、というよりは、地域内外のいろんな考えを取り入れてじわじわよくしていくものだと思っています。

 

長沼さん(写真左)

「私は洋服屋とカレー屋を営んでいますが、よく考えたら、議員というのは町のためになにかをしている人たちで、町の人に健康になって欲しい、良い服を着てほしいと思って店を開いている自分も、町のためになることをしているのかもしれないと思えました。

私は元々政治などに関心が高いほうですが、もっと『町がこうなったらいいよね』というのを気軽に話せる世の中になればいいなと思います。」

これから

 

みんなのまちひがしね市民会議では、7月の選挙に向けて、「いどばたネット」を参考にした情報サイトの開設を予定しています。

山本さん

「7月の選挙が盛り上がらずに“ナゾ”なまま進んでしまうのではもったいないので、せっかくの機会ですから、情報を流通させることで多くのみなさんに興味を持って楽しんでもらいたいですね」


18歳から投票ができるようになり、どうやって情報を得るべきか迷う昨今。

こうした情報サイトがあれば、もっと気軽に選挙や政治に対して向き合えるかもしれません。

サイト開設が楽しみです!