「レモネードスタンド」
という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
今、山形でこの活動が高校生ボランティアたちによって本格的に始まろうとしています。
アメリカでは夏になると子どもたちがレモネードをつくって売る「レモネードスタンド」というものがあります。子どもたちのおこづかい稼ぎとして定着しているのです。
これを利用して、アメリカのある小児がん患者の少女が「自分と同じような病気の子どもたちのために治療の研究費を病院に寄付したい!」と、自宅の庭にレモネードスタンドを開きました。
この活動はテレビなどにも取り上げられ、全米に知られるようになりました。
これを機に、レモネードスタンドは集めたお金を小児がん治療のために寄付するという社会貢献活動として、日本でも広がっているのです。
レモネードをつくるのに必要なレモン果汁は、普及協会が無償で提供してくれるので、その場でレモネードを作る方法と、ペットボトルのレモネードを販売する二通りの方法があります。
(レモネードスタンド普及協会HPより)
詳しくはこちらへ
https://www.lemonadestand-pa.jp/
自分の経験から芽生えた思い
「レモネードスタンド」は、小児がん患者の支援や啓発を目的にした活動で、レモネードを販売して売り上げの一部を寄付する支援プログラム。
この「レモネードスタンド」をしたい! と立ち上がったのは東海大山形高校2年の平田寧々さんです。
平田さんは小学校3年生の頃、小児がんを患いました。
入院した病院では3歳や5歳といった自分より幼い子どもたちも闘病していました。点滴のチューブに繋がれたまま遊んだり、処置室から泣き声が聞こえたりするような毎日だったそう。
「病院の中にいる子どもたちは、閉塞感や将来への不安の中で病気と闘っています。私も退院してから(抗がん剤の影響で)髪が抜けたり、顔つきが変わって友達から怖がられたりしました。仲が良かった子が離れていくという悲しくて辛い体験もしました」と話す平田さん。
小児がんは1歳から14歳の子どもの病気による死因の第一位だそう。
山形県内では小児がんのことや「レモネードスタンド」という支援プログラムがあることはあまり知られていません。
平田さんは「山形県内の方に小児がんとレモネードスタンドのことをとにかく知ってほしい!」という思いを持つようになりました。
「nicoこえ」との出会い
もっと小児がんのことをみんなに知ってもらえれば、もっと研究が進んで小児がんの治療に役立てば、苦しむ子供達を一人でも減らせるのではないか。
その想いを胸に、支援できる方法を探していた平田さん。
そんな時にレモネードスタンドという仕組みを知り、中学生の時に友達と2人で開催しました。
来てくれたお客さんから「小児がんやレモネードスタンドというものを初めて知った」と言われ、もっとこのことを皆に知ってほしいという気持ちが芽生えますが、一方で一人でする活動の限界を感じてもいました。
「nicoこえ」に出会ったのは、そんなときでした。
「nicoこえ」は、村山地方の高校生と大学生(3月現在)たちによる、山形県青年の家拠点のボランティアサークルです。
「レモネードスタンドをしたい」という平田さんの情熱に、メンバーたちも徐々に興味と関心を持ち、今では笑顔で楽しみながら活動しています。
山形レモネードスタンド元年として
そして山形でももっと小児がんやレモネードスタンドのことを知ってもらおうと、「山形レモネードスタンドプロジェクト」のキックオフミーティングが3月9日に県青年の家で行われました。
今後、県内各所でレモネードスタンドを開いて小児がん支援を行うことが発表されました。
「山形県内の小児がんの患者(子どもたち)に直接支援が行くような仕組みづくりを考えている。今年は山形のレモネードスタンド元年、として広めていきたいです。」と実行委員会事務局の石井貴之さんが挨拶をしました。
お金の支援だけでなく、「心の支援」を
プロジェクトリーダーとなった平田さんは今後の目標として、
「たくさんの方の協力で今まで何度か開催できましたが、この活動が持続可能な活動になるよう頑張っていきます。レモネード販売による寄付というお金の支援だけでなく、知ってもらうという“心の支援”をより重点的に行っていきたいです」
と力強く話してくれました。
現在、庄内や最上など県内各地のボランティアサークルからレモネードスタンドを開催したいという相談が寄せられているそうです。4月2日にはプロバスケットボールチームの山形ワイヴァンズのホームゲームで選手と一緒に実施することが決まっています!
「これからは県民の方の誰に聞いても『小児がん支援=レモネードスタンド』という言葉を知ってもらえたら一番うれしい形です」という平田さん。
平田さん自身が小児がん患者として辛い思いをした経験があったからこそ、同じ病気の子ども達の苦しみを少しでも和らげたい、力になりたいとの強い思いを感じました。
「(小児がんになったからといって)子どもの心自体は何も変わっていないし、前向きな子がたくさんいるのでそういうことも知ってもらいたい」という言葉が印象的で、私たちは「関心を持つ」「理解しよう」ということから始まり、ひとりひとり心を寄せることが大きな力になっていくのでしょう。
山形の「レモネードスタンド」、これからの更なる広がりに期待です!
「2023山形レモネードスタンドプロジェクト」では、企業のイベントや学校祭、マルシェ等で開催してくれる所を募集しています。開催時は「nicoこえ」が全力サポートします!
お問い合わせはこちらまで。
事務局 山形県青年の家内
担当/石井 貴之さん
TEL 023-654-4545
■山形県青年の家
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