令和4年7月にオープンした村山市にぎわい創造活性化施設「Link MURAYAMA」。
大正10年に創立された旧県立楯岡高校の校舎の一部を改修し、学び舎の面影を残しつつ再生したこの施設は、使い方次第でいろいろな活用ができる魅力たっぷりの新拠点です。
オープンしてから半年が過ぎた「Link MURAYAMA」が、今どのように活用されているのか、私たちはどんな使い方ができるのかを取材してきました!
村山市にぎわい創造活性化施設「Link MURAYAMA」
お話してくださったのは、村山市の政策推進課活性化施設係長の髙橋政則さん。市ではこれまで、廃校となった校舎と向き合いながら、活用法を模索してきました。
「旧県立楯岡高校の敷地は広大で、36,000 平方メートルあります。村山市の中心市街地にあり、県では廃校後の利活用が白紙ということでしたので、市が譲渡を受けて利活用することとなりました。老朽化が進んでいたため、教室や講堂などは解体するしかありませんでしたが、職員室があった管理棟や別棟、体育館などを改修しました」
村山市には、近くにイベントができる施設が複数あったため、貸館だけではなく、「経済効果を生む拠点」というコンセプトで利活用することになりました。
オープンするまでは、改修工事を進めながら入居者を募集したり、運営のありかたを模索したりと試行錯誤を重ねたそうです。改修費用は数億円にのぼるそう。
「入居者の方々の財産を預かるため、セキュリティも担保しなければならないという中で、ただの雑居ビルではない施設をつくるという難しさがありました」(高橋さん)
そうしてオープンした「Link MURAYAMA」。「テナントや貸事務所機能を持ち、きちんと対価をいただきながら、柔軟に施設を活用してもらう」というスタイルの施設が誕生しました。
「経済効果を生む拠点」というコンセプトが功を奏し、現在のテナントやオフィスの入居者は19社に及びます。
さらにこの施設の大きな特徴は、「コワーキングスペース」があることと、誰でも利用することができる多彩な部屋があること。最近では主に小学生を対象にしたキッズラボもオープンしました。さまざまな目的で人が訪れるため、客層にも幅があるそうです。意外な出会いが生まれるかもしれませんね。
コワーキングスペース
1階は無料のコワーキングスペース、2階は個別デスクでじっくりワークができて利用料は100円~500円。Wi-Fiももちろん完備。
定員4名までのミーティングブースから、定員10名の会議室、落ち着いた空間の和室、調理ができるシェアキッチン、子どもたちの体験と学びの場「キッズラボ」、さらに1Fのリビングも貸し切り可能。人数や活動内容でいろいろな組み合わせができそうな、豊富なバリエーションの貸しスペース。あなたならどう使いますか?
ミーティングブース
1時間 200円 |
会議室
1時間 500円 |
シェアキッチン
無料(貸切 1時間 500円) |
キッズラボ
無料(貸切 1時間 500円) |
リビング
無料(貸切 広さに応じて 1時間 500円~) |
2階のアリーナはフラっと来て遊べる体育館。通常は200円ですが、高校生以下とお子様連れの保護者はなんと無料!卓球台や一輪車、トランポリンなどが常設されています。
1階のピロティにはコンクリートの広場があり、スケボーやBMXができます。屋根があるから、雨の日でも遊べるのがうれしいですね。土間のスペースではキャッチボールやグラウンドゴルフなどが楽しめます。コンクリート部の利用料は500円、土間のスペースは200円ですが、アリーナと同じく無料枠があります。
飲食店、ネイルサロン、コインランドリーにスポーツジムなど、多種多彩なテナントが魅力のひとつ。インキュベーションの役割も併せ持つオフィスは、3月末までに満室になる予定とのこと。
今後は、遊びやイベント、くつろぎの場として屋外広場を整備するそうです。
広い敷地を活用してどんな企画が生み出されるのか、楽しみ~!
・・・と、髙橋さんに尋ねてみました。
「相乗効果みたいなものがありますね。スケボーをした後にコワーキングスペースで勉強をする子や、子どもがアリーナで遊んでいる間にテレワークをする親御さんなど。入居者さん同士でも知り合うことで連携が生まれるという姿も見られます。
利用者はわりと若い人が多いですが、高齢の方もグラウンドゴルフをしに来たりするので、世代間交流もあるかもしれないですね。ゆっくりリラックスして過ごせる居場所のような使い方をしてもらえればと思います。あまり枠組みをガチッと決めていないので、いろんな使い道ができるかなと思います。使われて育っていく施設だと思うので、ぜひいろんな人に使ってほしいですね」
4月には、施設内にゲストハウスがオープン予定。今以上にアクセスが良くなり、県外から来る人にとっても便利ですね。ますます交流がしやすくなりそうです。
洗練された空間の中に、なんとなく懐かしさを感じるのは、あちらこちらに見える「木のぬくもり」があるからかもしれません。リビングの小上がりやコワーキングスペースの机、階段の手すりなど……。これらの木材、じつは旧校舎の床材をリメイクして作られたものだそう。長い年月の変遷が感じられる独特な色合いを見せてくれています。
ほかにも、施設内のいたるところに、「旧校舎から受け継いだ」というものが散りばめられているそうです。
「これ、もしかして旧校舎のもの?」なんて、新たな発見があるかもしれませんよ。
一日中いても退屈しなさそうな「Link MURAYAMA」。
「廃校の活用って、こうだったらいいのにな」というさまざまな願いを形にしたような、本当に市民のための施設、という感じがしました。
ぜひ足を運んでみてくださいね!
■村山市にぎわい創造活性化施設「Link MURAYAMA」
〒995-0032 山形県村山市楯岡荒町二丁目1番1号
TEL 0237-48-8212
WEB https://link-murayama.jp
[開館時間]9:00~20:00
[休館日]毎月第2水曜日/12月29日から1月3日
(入居店舗の開店時間・定休日はそれぞれ異なります。)