今年度は25名のサポーターさんと一緒に、山形で頑張る若者の皆さんを応援しています。
29才までの約8年間はITや観光地など、会社勤めをしていました。
2000年に北海道で火山災害が発生。洞爺湖温泉街などが火山灰や噴石により大変な被害を受けました。その災害で初めて「災害ボランティア」として支援活動に参加し、その後、災害支援の事務所を立ち上げました。
その後も日本各地で災害が発生し、可能な限り災害ボランティアとして従事してきました。およそ20年の間で30ヶ所の災害現場に入っています。
当初はボランティアの立場でしたが、現在は被災地からの災害派遣要請を受け、被災者支援のコーディネートを行うなど「仕事」として関わっています。
「災害支援が生業になる」ということは、それだけ災害が多いということを意味するため、常に複雑な気持ちを抱きながら業務にあたっています。
決して「感謝されるため」に活動をしているわけではありませんが、被災されたかたや、被災者支援に従事されている皆さんから「ありがとう」と声をかけられると、「自分でも少しは役に立ったのかもしれない」と感じる事があります。
また、被災地でともに悩み、汗をかいた支援者の皆さんと異なる被災地で再会する機会も多いですが、そういった時は特に勇気づけられます。
被災地ではつらい状況と対峙することが多いですが、「多様な皆さんと一緒に大きな課題を乗り越えることができた時」は嬉しく思います。
災害現場は「非日常の空間」だと言えます。
火事で燃え尽きた家、崩れた道路や橋、人々が殺気立ち混乱している避難所、生活が壊れて疲弊している住民の皆さん。
初めはそういった場に身を置くことに慣れていなかったこともあり、「自分が頑張らなければ」と気負ってしまっていました。先を急ぐあまり、現場では言ってはいけない言葉を発してしまい、相手の気持ちを傷つけてしまったことがあります。今となっては反省しかありません。
秘策はありませんが、以下のように気をつけていることは多々あります。
・可能な限り「相手の立場」を想像する
・自分の言葉や行動に「誤解される要素」が含まれないように注意する
・本人がいないところで「その人の評価」をしない
これらは災害現場に限ったことではなく、平時でも共通することかも知れません。
2000年に初めて災害支援に関わりましたが、それが自分にとって大きな一歩だったと思います。
災害に限らず「ボランティア」そのものが自分にとって初めての経験で、ネットやスマホも普及していなかったため被災地の情報もあまり得られず、不安を抱えながら北海道の被災地に入りました。
被災地には一ヶ月間、車中泊で滞在しましたが、その間、様々な人たちの喜怒哀楽に触れました。今振り返ってみても、自分の人生で特に重要な一ヶ月間だったと思います。
若い世代の皆さんとお会いすると「知識が豊富で聡明」だと感じると同時に、「失敗することに慎重すぎる」側面を内包しているのでは、思うことがあります。
「若い時に失敗を経験すること」は、自分自身を形成する上でとても大事な要素だと思っています。私自身災害現場で多々失敗し、同時に学びを得ました。
「失敗学」という言葉もありますが、若い世代は「失敗が許される特別な世代」だとも言えます。失敗を恐れずに、ぜひ新たな一歩を踏み出してはいかがでしょうか?
***
千川原さん、ありがとうございました!
災害大国と呼ばれる日本で、こうして被災者支援のプロがいてくれるというのは心強いですね。
平時と違う、ぴりぴりした被災地で人をまとめる手腕は、きっと様々な場面に通用するのではと思います。
災害支援、ボランティア、人のコーディネートなど、千川原さんのお話を聞きたい方は、若者サポーターを是非ご利用くださいね。